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村上春樹「スプートニクの恋人」

2008年08月23日 21:12

を読みました、一ヶ月以上前にエントリ書いてたんですがなんでか
下書きのまま、ネタのない今の内に出しときます。
村上春樹を勧められてから書店でまず何を買おうか迷ったのですが、
どうも代表作とかベストセラーとか評されているものは買いたくないと
いう天の邪鬼な性質が働いて、コーナーの前で矯めつ眇めつする事30分、
タイトルと裏表紙の紹介文が一番好みにあった、この本にしました。

思うに、往々にして背表紙の紹介文は購買欲をそそらないものが
多いように感じてしまいます。なんでこんなに面白くない紹介文を
書けるんだ、と勝手に憤慨することもしばしば。とはいえCDに関して
言えば、私は様々な文字媒体を通して先にある程度の情報を仕入れ
てから買いますし、どのアーティストがどんな音楽をやっているかも
経験則で大体分かります。比較として適当なのは音楽初心者が
ジャケ写と帯だけでCDを探すようなものですか、あぁなんとなく
分かる気がしてきました。インターネットが普及して無い頃、月一で
書店に二冊しか入荷しない専門誌(といっても現在のようにジャンルが
細分化されてないもの)を頼りに場末のCD屋で必死に目当てのものを
探す感覚。輸入版なんて入って来る時代では無かったので、中学生の
財布的には毎回が大勝負でした。そんな中でダニー・ハザウェイの
ライブ版を買えたのは正に僥倖でした、、と、閑話休題。
そんな訳で日本人の小説に関してはど素人なので、語れるような何かも
持っていないのですがとりあえず感想を。タイトルでまず惹かれたのですが
このセンスは流石だと思いました。他愛ない記憶違いからつけたタイトルかと
思いきや後半にもっと深い意味が隠されているとか、こういうダブルミーニング
は素直に感心してしまいます。

昔々にノルウェーの森を読んだ時に感じた違和感も、朧げながら蘇って来ました。
基本的にナルシストな視線がどうにも鼻に付いたり、日常ではまず使わない
ような形容を語彙を尽くして書いていたり。作品全体に漂うsnobbyな雰囲気が
馴染めなかったんですね。東京で(音楽畑ですが)長年そういった人達と付き合う
ようになり齢も重ねた今でこそ、落ち着いて読めていますが、当時の田舎少年に
とってはぶっちゃけ「スカしやがって」的な青臭い反抗があったのでしょう。

その日常ではまず使わないような形容の仕方、手元に本が無いので割愛しますが、
なんとなく英文学を翻訳した作品のようにも読めました。形容の仕方が向こうの
作品は仰々しいというか、好意的に読めばロマンチックというか。真っ先に
思い浮かんだのが、ラブクラフト的な形容というのが私の視野の狭さを露呈させて
しまいますが(苦笑 当たらずといえども遠からずな気がします。

色々腐しているようですが、読後感は非常に切ないものがありました。解釈として
如何様にも取れる終わり方は好きでないにも関わらず、とても胸に残るものが
あるのは物語に、一貫して漂っているノスタルジーのせいではないかと感じました。
世代が合えば更に共感を覚えるのでしょうが、世代が違っても、人が過去を振り返る
時に感じるあの鼻をつく匂いは同じという事なのでしょう。

もう2、3冊読んでみたくなりました。
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コメント

  1. satuko | URL | -

    村上春樹

    職場の先輩(男性)が読んでるらしく、読んでみなよと薦められました。
    英語で出版された本の日本語版をちらっと、読んでみました。

    ああ、なんていうか、これが男心というものなのかな?
    思っているのに、心の中では思っているのに、絶対にそれを言わない。
    どうして教えてくれないの?

    やれやれ


    私にとって村上春樹はまだまだ難しい。

  2. Dixie | URL | FiPkFC0s

    Re: 村上春樹「スプートニクの恋人」

    佐津子さんこんばんわ : )

    私も未だに数冊しか読んでないので大層な事は言えないのですが、
    良く言えば美意識、有り体に言ってしまえば「かっこつけ」
    なんだと思います(笑 勿論人にもよると思いますよ。
    僕の友人は言い過ぎていつも上手く行かないと言っていました。

    えぇ間違いなく僕の、友人の話ですとも。

  3. PENGUINS PROJECT | URL | -

    Re: 村上春樹「スプートニクの恋人」

    実は村上春樹は全部読んでいたりします。
    文学部の学生なんです、僕。

    最近の村上春樹の読み方としては
    「世界共通の問題意識に光を当てる」「文化圏を問わず支持できる」という肯定的な見方と
    「グローバリズムを容認するファストフード文学だ」「男性中心のご都合主義だ」という
    否定的の両方がありますね。
    僕はまあ好きなんですけど、でもスノッブだというのもよくわかります。

    長編でお勧めは「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」ですかね。長いですが。
    最新作の「アフターダーク」はちょっとポストモダン風でいいかも。すぐ読めますし。

    あと村上春樹は短篇が凄いです。「中国行きのスロウ・ボート」あたりは是非。

    P.S.スプートニクの恋人では、ぼくはにんじん君が好きです。盗んだバイクで走り出せ(笑

  4. Ark | URL | guRgTqeo

    Re: 村上春樹「スプートニクの恋人」

    こんばんわ。
    村上春樹と聞いて、ウキウキしながら書いてますw

    短編集は良いですね。
    個人的には「カンガルー日和」のあしか祭りでかなり
    笑った記憶がありますw

    別の著者の話なのですが、以前書かれておりました
    「ニューロマンサー」も良いですよね。最近読んだのですが
    発想も凄いというか、何よりSF的かっこ良さに溢れてますね。

  5. Dixie | URL | FiPkFC0s

    Re: 村上春樹「スプートニクの恋人」

    >penguins projextさん
    もう読み方捉え方とかいうレベルでは全然分からないのですが、
    最終的に心になにかひっかかれば良いものだと、思っているので
    そういう意味では「スプートニク~」は素敵な作品だったと
    思います。ファストフード文学というのも、日本でラノベ見てると
    いまいちピンと来ませんね。ただ男性中心のご都合主義というのは
    分かるような気もします。漫画の話で恐縮なのですが
    「湾岸MIDNIGHT」という漫画が昔ありまして
    (今も連載してるのかな?)ご都合主義と作者のナルシズムが
    相まって読んでるこっちが気恥ずかしくなるような作品でした。
    そういった雰囲気は確かにスプートニク~にも感じましたが、
    基本が上品なので、なんとなく乗せられて読んでしまうという。

    取り敢えずノルウェーの森は当時のハードカバーが実家に残って
    いたので読破しまして、羊をめぐる冒険を買って来ました。
    また暫くは楽しめそうです。

    >Arkさん
    短編集ですかー、盲点でした。確かに小品を続けて読んで
    作者の世界に馴染んで行くのも大事ですね。どれが短編集か
    分からなかったので、今度カンガルー日和でも買ってみます!

    「ニューロマンサー」は今読んでも面白いですね。士郎正宗や
    攻殻機動隊、マトリクスに至る大樹の根元でもあるのですが、
    そのニューロマンサーにしても、80年代の作品。先鋭的な
    要素はありつつもトロンのような電脳空間や千葉シティの
    描写にレトロフューチャー的なものを感じつつしみじみ
    読んでいます。
    空想の20世紀と現実の20世紀、パラレルワールドと化した世界は
    ある意味ファンタジーですね(笑

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